コラム:メーリングリストの歴史


 日本のメーリングリストの歴史は比較的古く、1980年代後半には存在していたといわれています。メーリングリストは電子メールの発展と密接な関係があります。1980年代当時、電子メールを扱える人はごく一部で、スーパーコンピュータの利用者といった専門技術者が事務的な連絡として用いるのが主な活用で、その際にメールアドレス(当時は利用者ID)をリストにして同時連絡をするためにとられた手段がメーリングリストの原点といわれています。商用パソコン通信も1980年中ごろから始まったものの、まだ漢字を扱える環境が少なく、カタカナを使っていたのがあたりまえの状況でした。

 1990年代に入り、大学や研究機関でインターネットが普及するようになると電子メールの利用も活発化し、メーリングリストも有志で立ち上がるようになってきました。自作ソフトで使用してのメーリングリスト開設が多く、まだまだ専門知識がなければできないような敷居の高いものでした。テーマも学術的な専門分野や趣味を扱うものが主流でした。1994年ごろから、個人向けインターネット接続プロバイダが設立され、個人でも簡単にインターネットを利用できるようになり、一部でメーリングリストの開設サービス提供も行われるようになりました。その後まもなく、インターネットブームが巻き起こり、メーリングリストの数も急激に増え、当時少なかったフリートーク系のものが続々登場するようになってきました。メーリングリストは、手軽なコミュニケーションツールとして有用であることが認知され、メーリングリスト専門の開設プロバイダも誕生し始めたのもこの頃からでした。

 現在、日本には何千ものメーリングリストが存在し、今もなお新しく開設され続けています。専門的な技術的知識がなくても低予算で容易にメーリングリストを始められるようになり、これからもメーリングリストは末長くインターネットでのコミュニケーションの活用として利用されていくでしょう。


前へ トップページ 次へ


超入門 初心者もつまずかないメーリングリストサポートページ
Copyright 2000-2020 by Atsushi Sato, All rights reserved.