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コラム:エボラ出血熱への感情任せな投稿に自制を

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 西アフリカで流行しているエボラ出血熱は感染すると死亡率がきわめて高いことから、世界中を震撼させています。現在のところ確立した治療法やワクチンはないため、終息の兆しは見えません。このような状況で問題となるのが、エボラ出血熱への恐怖や不安をあらわにしたままインターネットへ書き殴る投稿の氾濫です。

 今回のコラムは、非常時に感情をむき出しにした投稿はしないよう、冷静な心をもつ大切さについて述べます。

● 不安と恐怖がもたらす心ない言動

 エボラ出血熱が猛威を振るっているのは遠い地域での出来事です。とはいえ、いつかは日本にもウイルスが上陸するのではないか気がかりです。突然、感染の疑いがある人が国内で血液検査を受けたとニュースで報じられれば、驚きをあらわにするでしょう。

 ここで問題となるのは、不安や恐怖に心が支配され、平常心を失った状態のままインターネットに投稿する行為です。冷静さを失っているだけに言葉を選ぶことができず、他人を不愉快にさせるような口汚い言葉を平然と並べてしまうのです。たとえば、次のような言動です。

    「感染国の人間は日本に来るな!」
    「医者でもないのになぜそんな危ない国へ行くんだ」
    「自業自得だろう。ウイルスをまき散らすな」

 また、感染の疑いのある人が特定されると、興味本位の詮索や無責任な誹謗中傷があちこちで始まり、そのひどさは目に余ります。第三者から見れば、不安や恐怖で我を忘れた投稿は見るに堪えません。あまりにも非道であり、見苦しいかぎりです。

 検査を受けている当事者は好んで疫病に感染するはずがありません。何より、最も不安な状況にあるのは当事者本人です。その人に向かって言葉の暴力を浴びせるのは罪悪感が欠如しています。

 想像と感情任せに他人をおとしめる言動は、同じ人として慎まなければなりません。

● 軽はずみな一言がデマの発端に

 詮索や誹謗中傷に加えて問題となるのが、軽はずみな言動がデマになって広まることです。

 たとえば、感染の疑いがある人が利用した交通機関を調べて、ウイルスが残留しているなどと根拠のない投稿が流れれば、大勢の人がその情報を信じ込むでしょう。もっともらしいデマとして一人歩きすれば、歯止めがきかない事態に発展します。

 Twitterではリツイートを使えば簡単に投稿を転送できるだめ、デマは短時間でネット中に広がります。不謹慎な冗談は、あとになって弁明してももはや聞く耳をもってはくれません。だからこそ、誰もが神経質になっているときに、軽はずみな言動は絶対にしてはならないのです。

● 疫病や災害時は感情的な言動の自制を

 突然、経験したことのない事態が身近で起きれば頭の中が混乱します。そのような状況で自分の心境を誰かに聞いてもらおうとすると、その場感情だけで行動しがちです。

 頭がパニックになっているときは、ネットへ投稿してもまとまりのない言動や卑劣な言葉を書き連ねていることに気がつきません。それは、当事者を傷つける結果につながります。また、物事の判断力がつかないときほど他人からの情報を鵜呑みにしてしまいます。デマや流言も疑いを持たずに事実と受け取め、知り合いに振れ回す行動をとりがちです。

 Twitterやソーシャルメディアはどんなことでも気軽に書き込めるため、自分の心の中を誰かに知ってもらうのに好都合です。しかし、非常時は慎重な投稿をしていかなければなりません。物事に冷静な判断がつかない状況では、自分の投稿で誰かをおとしめたり、他人に無用な不安を抱かせてしまうからです。度が過ぎれば、日頃から自分の投稿を読んでいる友人を失います。

 突然の出来事が起きたときは、不安を投稿するよりも自分を落ち着かせる行動を最優先に考えていくのが大切です。

● 投稿よりも正しい知識を身につけることが優先

 感情に流されず冷静な対応をするには、正しい知識を身につけることが肝要です。エボラ出血熱も、感染や予防策などこれまでに知られている情報を信用のあるサイトなどから入手します。そして、熟読して要点を把握しておけば、別段あわてることはありません。ネットから流れてくる怪しい情報やデマも自ずと見分けられます。

 疫病に限らず、地震などの自然災害のときも同様です。正しい知識を収集する習慣をつけておけば、翻弄されず落ち着いて対処できるでしょう。

 インターネットでは何気ない一言がまたたく間に広まることはよくあります。それが結果として、人を傷つけたりデマとして一人歩きしたりする危険をはらんでいます。だからこそ、非常時は心の不安をネットにさらけ出さない自覚意識を養うようにしなければなりません。


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2014年11月24日発行 第364号

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