印税って儲かるの?


 本を執筆すると著者に印税が支払われます。私もこの印税を初めて手にしました。銀行口座に印税が振り込まれているのを確認したとき、給料とはひと味違う喜びがあります。

 「印税って儲かるかって?」いいえ、甘いです。印税額は出版社との契約時に協議しますが、この取り決めは出版社によりさまざまなようです。一冊あたり定価の何パーセントを配当する方法が一般的です。
 さて気になる印税率ですが、よく言われているのは定価の10%が著者に還元されるようです。しかし、これはよほど売れる見込みのある書籍か、あるいは執筆経験を積んだライターの場合で、ふつうはもっと安いです。コンピュータ関連ではおおむね8%前後ではないでしょうか。定価1,500円の書籍であれば一冊売れて120円程度しか著者の手元には入ってこないという計算です。つまり、一冊本が売れても著者に入ってくるのは自動販売機で缶ジュースが買える程度なんです。
 今回、はじめて執筆する経験をしましたがフリーで活躍する人はかなりの数の本を書かないと生活するには難しいと肌で感じました。一冊執筆しても、金額はよくて月額あたり大卒の初任給に相当するかやや高いぐらいです。必要経費を考慮すればもっと安くなります。副業であればちょっとした収入になりますが、印税は決して高額ではないのです。そのかわり、重版(第2刷のように増刷されること)になればその分の印税が入ってくるので、そうなれば何もせずに収入が得られます。もちろん、それだけ売れる本になればの話ですが。こればかりは祈るしかありません。ライターで生計を立てるには、いかにたくさんの本を書いて、重版の数を確保するかが勝負所なのでしょうね。

 はじめての書籍出版だったので、記念に印税で万年筆を買いました。ドイツの有名な万年筆メーカーであるペリカンの製品で、「ブルーオーシャン」という世界に5,000本のみ生産された限定万年筆です。ずっとあこがれていた一品で、万年筆では珍しいスケルトンのボディをしており、インクの量が一目でわかるようになっています。青く透明な軸はブルーオーシャンと呼ばれるにふさわしい青い海を思わせる美しさをもっており、まさに名品です。ちなみに、これ一本で激安パソコンが買えてしまいます。キーボードばかりの生活になると手書きをする機会がめっきり減ってしまい、文字を書く楽しみがなくなってきました。自分だけのペンをもつ「愉しみ」は、アナログのよさをあらためて感じさせてくれます。肉筆で書く文字の醍醐味はどんな先端技術を駆使したデジタル機器を使っても体感できません。現代にとって手書きの楽しさは忘れ去られつつありながら、新鮮な喜びなのかもしれませんね。



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